小さな疑問

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相棒17と刑事ゼロ

時間つぶしにテレビを見ておりました。

2/6 相棒17 14話「そして妻が消えた」 脚本家:下亜友美さん

2/7 刑事ゼロ 脚本家:根本ノンジさん

 

納得いかないところが。

 

とりあえず、あらすじを。

相棒17

妻が失踪。家には血痕等が。
妻は元人気キャスターで、ストーカーに付きまとわれていたらしい。
が、ストーカーからのメールの発信元が夫のPCから。
妻の妹(以後、妹)のSNSからDV疑惑。
妹と夫は不倫関係。
夫が警察に取り調べを受ける。
それに納得がいかない特命の2人。
色々と調べたら、協力者として資産運用アドバイザーが浮上。
行方を調べるととある別荘が浮上。
行ってみるとアドバイザーの死体を発見。
妻の身柄は近くのホテルで確保。
失踪は妻の自作自演。
自分がもう一度表舞台に立つために。
が、アドバイザーの殺人については否定。
特命2人が夫に話を聞くと、「なんでナイフなんかで」と発言。
凶器は公表されていなかったので、誰に聞いたのか問うと「妹から」と。
アドバイザーを殺したのは妹だった。
が、事故だったと。
別荘には、姉である妻の自作自演であることを公表するように説得に行っただけ。
アドバイザーは妻のファンで、夫からDVを受けているという妻の説明を鵜呑みにしていた。
で、別荘で妹を見かけ、夫に頼まれて連れ戻しにきたのだと勘違いし、追い返すためにナイフを振り回す。
妹は殺されまいとアドバイザーの腕を押し返しているときに、足を滑らせ転んでしまう。
で、運悪く、ナイフがアドバイザーに刺さって死んでしまった。
妹は姉が嫌いで、姉のものを奪ってやりたかったと。
右京は「物だけでなく、人の命も奪ってしまった」と怒り。

 

 刑事ゼロ

とある村で崖からの転落死亡事故が起きた。
そこは神様が棲むといわれる村。
死んだのは村職員。
警察はただの転落死で事件性はないと判断。
そこに村長が出てきて「天罰だ」と騒ぐ。
500年前にも村の乗っ取りを企んだ野武士がいたが、村民が神に祈りを捧げたら、野武士が突然苦悶し走り出したあげく崖の上から転落死した。
1年前にも村の消防団長が村を裏切るような怪しい行動をし出したところ、同じように崖の上から転落死した。
消防団長の娘は半年前から行方不明になっていた。
村長の家(?)に行くと「伝説はまだ終わらない」との貼り紙が。
とりあえず、仕事で村を出る青年以外の村民全員を一箇所に集め保護することに。
村には清めのためにフキノトウを食べる習慣があった。
今回もフキノトウを食べようとしていた。
が、フキノトウに似たハシリドコロという毒草があった。
提供されてるフキノトウに混ざってないか調べるがなかった。
村長と話をすると崖を見ててくれといわれ、崖の前の門で見張りをする刑事。
が、朝に女性刑事が見に行くと、刑事は寝てた。
刑事は明け方までは起きていたと主張。
念のため崖下を見ると村長の死体が。
鑑識等の調査の結果、村長の体内からはハシリドコロは見つからなかった。
村長の家からハシリドコロを育てているプランターが発見される。
村長の指にはヒサメの木片が突き刺さっていた。
それは青年の仕事先である福井にしか自生していなかった。
村長を殺したのは青年だった。
動機は消防団長の娘を殺されたこと。
消防団長は村長にハシリドコロを食べさせられ、崖から転落死していた。
崖には門が設置されているが、崖の上に行かないようにするためではなく、ハシリドコロを食べさせた相手を閉じ込めるためのものだった。
殺されたのは、村長と村職員の2人が村に風力発電を建設しようとしており、裏金を受け取っていたことを知った消防団長が問い詰めてきたから(のはず)。
消防団長の娘は、父の死を不審に思い独自に調査。
結果、父の死から半年後に真相に気づき、村職員を問い詰める。
が、村職員は躊躇なく、娘を鉄棒で殴打し殺害。
村職員は「殺しまでしたのだから」と分け前を増やせと村長に詰め寄る。
それを青年が偶然立ち聞きしてしまう。
その後、村職員は村長に消防団長のときと同様の方法で毒殺された。
青年は村長を福井に呼び出し、消防団長の娘を殺したことを問い詰めた。
これを聞いた村長は、青年を殺害しようとする。
青年は防戦しもみ合いに。
村長は足を滑らせ崖の下に転落し死亡。
焦った青年は筏に村長を乗せ川に流す。
筏は村のいつも転落死が起こる場所に流れ着いた。
青年は「あいつらは殺されて当然なんだ!」と。
これに対し刑事が「殺されて当然の人間なんていない! あなたのやったことは立派な殺人だ!」と説教。

 

やっぱり納得いかない。2つとも。
相棒の妹も、刑事ゼロの青年も、殺人罪は成立しません。
そもそも殺人の故意がないのですから。
仮にあったとしても、正当防衛が成立します。
最判昭44年12月4日 昭和44(あ)1165 刑集23巻12号1573頁
「刑法36条1項にいう「已むことを得さるに出でたる行為」とは、急迫不正の侵害に対する反撃行為が、自己または他人の権利を防衛する手段として必要最小限度のものであること、すなわち反撃行為が侵害に対する防衛手段として相当性を有するものであることを意味するものであって、反撃行為が右の限度を超えず、したがって侵害に対する防衛手段として相当性を有する以上、その反撃行為により生じた結果がたまたま侵害されようとした法益より大であっても、その反撃行為が正当防衛行為でなくなるものではない」
要するに、反撃行為が防衛手段として相当な範囲であったら、結果的に怪我したり死亡したとしても正当防衛が成立する。
上記の事件は怪我を、死亡に関しては有名な「西船橋駅ホーム転落死事件」があります。
なので、今回の2番組も正当防衛が成立するんですよね。
殺人だ!と断罪したければ、そういう設定にしないと。
弁護士番組だと弁護士が監修で入るけど、刑事番組には入らないのかな。不思議だ。